franky202's diary

徒然なことを徒然に書くブログ

寅年と言うことに因みマイナーヒーロー紹介

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寅年と言うことで昭和48年秋から昭和49年3月まで放映されたマイナーヒーロー物のピープロの、

『鉄人タイガーセブン』をざっと紹介する。

 

この作品はヒーロー物にありがちな、『主人公がなぜ途中からいないのか?』とか、様々なことを描いている。まあ、今迄誰も突っ込まなかったことを描いている。

 

フジテレビ系で『風雲ライオン丸』の後番組として放映された。

 

前作の救いのなさをまたも『鉄人タイガーセブン』でやってしまっている。

 

物語の始まりはロードレーサーの滝川剛(南城竜也)が、サハラ砂漠にムー原人の謎を追い旅立った父滝川博士の『滝川探検隊』を追って探検をやめさせるべく砂漠をバイクで飛ばす。

 

しかしその途中人類に激しい恨みを持つムー原人スナウラミにより剛は心臓にダメージを受けてしまい死ぬ。

 

その様子を見た父滝川博士は剛を死なせたくなくて、ミイラ蘇生用人工心臓SPを剛に移植し、剛は甦る。

 

そして虎のペンダントを手渡す、なんでも古代の一族に伝わるものらしい。

 

しかし考古学者である滝川博士が医学的なことが出来ることが不思議である。

 

そして探検隊はムー原人のいるピラミッドに到着し、内部を調べていたら現人類に恨みを持つムー帝国のギル王子に見つかり探検隊は全員殺害される。

 

剛も居合わせるがなす術がない、しかし、その時不思議なことが起こった。(と言っても仮面ライダーBLACKRXではない)

 

虎のペンダントを託された剛が虎の獣人鉄人タイガーセブンに変身する。

 

『タイガー!スパーク!』と叫びながらポーズを取り剛は伝説のヒーローに変身する。

 

このあたりは何故なのかの詳しい解説は不明である。

 

まあ、取るもとりあえずピラミッドから逃れてムー原人の一体は倒す。

 

滝川探検隊は高井戸博士(中条静夫)の研究所とコンタクトを取っていた。滝川博士の協力者だったらしい。しかし通信が切れると「応答せよ!」にだれも答えられない、探検隊は全滅したから。

 

その後高井戸博士と研究所員にタイガーセブンは「滝川探検隊は全滅しました」と報告し、去る。

 

日本まで追いかけて来たスナウラミを倒して1話は終わる。

 

まあ、1話からして「滝川探検隊のやっていることは世の中では狂気の探検だとされている」とか剛が言ってしまう辺りはリアルだが、何故そんなことが出来るの?の突っ込みは出来る。

 

2話では高井戸博士の研究所に赴いた剛を研究所員の北川史郎(達純一)に殴られる。

 

「今更何故のこのこ帰って来た!お前が帰って来たら俺はぶん殴ろうと思っていたんだ!」と剛に対して明らかに不快な態度を見せる。

 

この後も剛と北川は相入れることなく理不尽に殴ったり「出て行け!」と言われたりする。

 

相性は最悪で最後まで理解されないままだった。

 

林三平も北川を恐れて庇おうともしなかったし。

 

そんな酷い目に遭う剛を庇ってくれたのは高井戸博士と、助手の青木ジュン(久万里由香)とその弟次郎(吉田友紀)である。

 

ジュンは滝川博士が冷たく当たりながらも剛のレーサーとしての活躍を喜んでいたと様々な剛の活躍の記事をみせたりする。

 

次郎もそんな剛を兄と慕う。まあ、北川が理不尽だから庇う人間がいても良いだろう。

 

その後も世間に高井戸博士はムー帝国の恐ろしさを訴えるが誰もまともに取り合わない、政府もである。

 

それに劇中にタイガーセブンが人助けをしても、追い払われたりしたり、あちこちで高井戸博士らの一行は世の中から叩かれる。

 

リアル過ぎだろ実際の反応はこうだと言うことを描きたかったとしても。

 

リアルすぎる内容とハードで陰惨なストーリーは到底子供向けのドラマではなかった。

 

前作の風雲ライオン丸が救いのない暗い話で不人気だったのを活かしていない。

 

勿論タイガーセブンも救いのないエピソードが多数ありすぎて、その一々は紹介出来ないが今でも到底ウケる話ではない。

 

当初はどこまで放映するか分からなかったが結局26話終了を余儀なくされたのもその救いのない話とか、迫害されたりとかのリアルさが原因であるが、スタッフはテコ入れすらしなかった。

 

『気に入らなければ気に入らないで結構』だったのか?

 

まあ、あまりに救いがなさすぎて次回作の電人ザボーガーは正統派のヒーロー物に描かれて山口暁(のちに豪久)が暑苦しい位に主人公大門豊を熱演する王道ヒーロー物になったわけか、あれは52話も続いたし、2011年に映画リメイクもされたし。

 

まあ、今の世の中コロナコロナで暗いから元の話が救われない『鉄人タイガーセブン』はリメイクもされないか…。

 

まあやむなしだろう、逆張りしすぎて当時から人気はなく現在見ても到底ウケる話ではないし。

 

全体的に落とす暗い翳りがこの作品を未だに理解出来ないものにしている。

 

まあ、余談だが、鉄人タイガーセブンの主人公のオーディションには南城竜也の他に速水亮(当時は三崎玲資)がいて、速水亮は「自分が受かった」と思ったら南城が受かったと言う話が残されているが、話の陰惨さから見たら不合格で正解だったも知れない。

 

後に三崎玲資は『仮面ライダーX』のオーディションに行き、即決で主人公神敬介役と、新しい芸名の速水亮と言う芸名を貰えたし、小林昭二氏演じる立花藤兵衛に、演技指導を受けるなど実りは多かった。

 

仮面ライダーと言うコンセプトが飽きられていたのとアニメの台頭で35話終了も、メカニック的な変身の『セタップ!』は評価が高く、初めて武器を使った仮面ライダーである。

 

武器を使った仮面ライダーはX終了の14年後の『仮面ライダーBLACKRX』(1988年)まで出なかったし。

 

まあ、何が幸いするか分からない、南城竜也はタイガーセブンにスーツアクターが入った際は戦闘員のバイトをしてその分のギャラも貰っていたらしいし。

 

もし逆だったらと思うとかなり面白いが、南城竜也は『変身忍者嵐』(1972年)に主人公ハヤテ役を演じており、お呼びはなかったし、速水よりも歳上だったのもあるかも知れない。

 

だったらフレッシュな方をと言う選択は間違ってはいない。

 

鉄人タイガーセブンの最終回も悲惨で救いはなかったし、ムー帝国は滅ぼすも、人工心臓SPの寿命が幾許もなく、剛はいずくともなく消えていくと言う最後の最後まで期待を裏切らない暗さだったし。